2008-01-22

魁皇が豪栄道を下した相撲

昨日の大相撲の魁皇ー豪栄道戦はちょっと面白かった。
面白いという言い方は適当でないかもしれない。
興味深かったと言った方が良いか。


豪栄道は新入幕の9月場所で11日目まで10勝1敗と大活躍をし、優勝争いの一角にいた。
そのため、新入幕には異例の上位対戦が組まれて鮮烈な印象を残した新進気鋭の注目力士だ。
ちなみに新入幕のときの成績は以下の通り。

平成19年9月場所 豪栄道(西前頭14枚目)11勝4敗
初日 ○ 寄り切り 白露山
2日目 ● 押し出し 栃煌山
3日目 ○ 寄り切り 垣添
4日目 ○ 引き落とし 玉春日
5日目 ○ 上手出し投げ 春日錦
6日目 ○ 寄り切り 北桜
7日目 ○ 寄り切り 龍皇
中日 ○ 寄り切り 普天王
9日目 ○ 外掛け 旭天鵬
10日目 ○ 寄り切り 春日王
11日目 ○ 押し出し 豪風
12日目 ● 送り吊り落とし 安馬(西小結)11戦8勝3敗/豪栄道10勝1敗で対戦
13日目 ● 送り出し 千代大海(東大関)12戦8勝4敗/豪栄道10勝2敗で対戦
14日目 ● とったり 白鵬(東横綱)13戦11勝2敗/豪栄道10勝3敗で対戦
千秋楽 ○ 押し出し 嘉風

すごかったですねえ。
新入幕で怖いモノなし、という強気な相撲がとても頼もしかった。
西小結の安馬と当たるまで10勝1敗だったのだから。
10日目までは白鵬と並んで10戦9勝1敗。
11日目には白鵬が豊ノ島に押し出しで敗れて11戦9勝2敗、豪栄道は豪風に勝って10勝1敗と、一時は横綱をもリードしていた。
で、新入幕では異例の上位対戦が実現したというわけだ。



豪栄道は去年の9月場所で十両から上がって新入幕、西前頭14枚目で11勝4敗。
続く11月場所では西前頭6枚目に上がり、8勝7敗という成績を残している。

さて、今場所は前頭3枚目まで上がった。
初日から上位挑戦が続いていて、9日目にして未だ勝ち星は2つしかない。
そのうちの1勝は利き腕の負傷が芳しくなく途中休場した千代大海戦の不戦勝も含まれる。
であるから、実質的に勝ったのは3日目の琴光喜戦の1勝のみだ。

昨日(9日目)までの勝敗は以下の通り。

初日 ●  押し倒し 安美錦(東関脇)
2日目 ● 寄り切り 安馬(西関脇)
3日目 ○ 寄り切り 琴光喜(西大関)
4日目 ● 寄り切り 朝青龍(西横綱)
5日目 ● 上手投げ 白鵬(東横綱)
6日目 ● 引き落とし 琴欧洲(西大関)
7日目 ● 寄り切り 稀勢の里(東前頭筆頭)
中日    □ 不戦 千代大海(東大関)
そして、
9日目 ● 寄り切り 魁皇(東大関)

初日から上位陣総なめで当たり、これでもかと言うぐらい負け続けている。
やはり上位陣との力の差はまだまだ大きい。
なんだか気の毒になる位負けが込んでいる。


その豪栄道にとって昨日の魁皇戦はその実力差をまざまざと見せつけられた一戦だった。

立ち会いから、まずは魁皇が豪栄道の左顔面を張りながら土俵際までグググっと押し込む。
豪栄道は土俵際でこらえるが、魁皇は豪栄道の左肘を抱え込んで身を引くようにして小手投げを打ちかける。
両者はやや中央に戻るが、魁皇はその左腕を抱えたまま再び前にゆっくりと踏み出し、
相手に左肘に意識を持たせて、その隙に上手を取りにいく。
そのままあっさり寄り切って、魁皇は豪栄道を下した。

「相撲は頭を使ってこうして勝つんだよ、豪栄道君」というような、お手本のような相撲だった。
最初から最後まで、魁皇が、いわば作った試合だった。

魁皇も毎場所引退がささやかれたりしているけれど、さすが大関の貫禄だなあと感心してしまった。

朝青龍と安馬の対戦が面白かった9日目だったが、魁皇が若手力士に見せたこの相撲が妙に印象に残ったので書き留めた。

2008-01-15

朝青龍の惨めな負けは薬になるか?

大相撲も三日目が終わった。

注目の朝青龍は2勝1敗。
今日は時天空を速攻で捕まえて寄り切って勝った。

二日目、朝青龍は稀勢の里に送り倒されて豪快に土俵下に投げ出されてしまった。
稀勢の里に背中に回られ、送り出されて土俵を割る。
あげく、背中をどんと押されたものだからつんのめるように頭から、それこそ惨めな格好で土俵から転げ落ちてしまった。
朝青龍の行状を快く思っていなかった人々にとっては胸の空くような稀勢の里の勝ちっぷり、朝青龍の負けっぷりであった。

反面、朝青龍にとっていい負けだったのではないか。
初日の豪快な勝ち方である意味天狗になりかけていた彼は、らしからぬ惨めな負けで自分の相撲のコンディションについて気付くところがあったのではないだろうか。
昨年の名古屋場所で初日の負けのあと、人が変わったように残りの14日間の相撲を慎重居士になって丁寧に取り続けて横綱になったばかりの白鵬から優勝をかっさらった横綱である。
この、惨めな負けをただやり過ごすような朝青龍ではないだろう。
それが証拠に今日の速攻相撲である。

とはいえ、不安材料もある。
三日目の相撲では、左足首にサポーターをはめていたのだ。
確か年末あたりに左足にはめていて、大丈夫なのかなあと思ったものだが、やはりあまり芳しくないのか。
「妙に足が地に着いていない」と、解説者が連日発言していたが、やはりこれの所為なのだろう。

朝青龍の存在のおかげで、とても緊張感のある場所となった。
力士たちの間にも、観戦している観客たちの間にも、報道する人々の間にも。
いい意味でも、悪い意味でも。

怪我で休場をしないでほしい。

そして、逆境をはねのけて優勝してほしいナ。

2008-01-09

朝青龍復帰へ、もうすぐ初場所。

大相撲初場所が13日日曜日から始まる。
朝青龍の2場所の謹慎が解け、久々の登場が待ち遠しい。

前二場所は白鵬の一人横綱であったがどうも肝心のところで負けてしまう。
ピリッとした緊張感に欠けた場所だった印象は否めなかった。
去年の白鵬は横綱を目指していた頃が一番良かった。
横綱になってからは今ひとつな感じがどうしても拭えない。
それが故に場所も盛り上がらなかった。
振り返れば、このブログでもとうとう前2場所コメントなしということに...。

IZAβ版によると、

(朝青龍の)スピードと相撲勘は、出場停止処分前とさほど変わらない。寄りによる3連勝。最後は本場所でも時折みせる渡し込みを繰り出した。引き技に屈して2番落としたとはいえ、気迫を前面に出していた。
「本場所と違って勝ち負けは関係ないが、いい相撲をとれた」。笑みがこぼれる。約5カ月ぶりに体を合わせた白鵬も「横綱に対して失礼ですが、思ったよりいい。けがやブランクの影響も感じさせないし、強かった」と分析する。
横綱対決だけでは終わらない。ぶつかりげいこでは休場中に幕内上位まで番付を上げてきた21歳の豪栄道に胸を出して力量を確認。若の里にぶつかった後は、初日で対戦の可能性がある出島にも胸を出し臨戦態勢を整えた。

とある。

横綱審議委員会によるけいこ総見では、白鵬と朝青龍の申し合いがあり、7番当たって朝青龍の5勝2敗だったとか。

白鵬と7番申し合いをしたところで朝青龍の方から「ごっつあんでした」と自ら稽古を打ち切った、とある。
つまりそれは「息があがっていた」からとの指摘がある。
また、「本場所で白鵬がこの借りを返すだろう」と解説者の舞の海は見ているとの記事。

朝青龍が日本に帰ってきた時の体つきは、普段と変わらないと意外に思ったものだ。
帰国後の稽古での体つきも、謹慎前と比べて小さくなっているとか筋肉が落ちているとか言うことも見受けられなかった。
むしろ、意外と変わっていないのに驚いたくらいだ。
モンゴルで身体を作ってきたことは容易に想像できる。
朝青龍の性格からして、初場所は俺が優勝して見返すのだと燃えているのは想像に難くない。
と、これは僕の勝手な推測だ。

野球で言えばイチローのように、相撲に関しては人一倍愛しプライドを持っている横綱だ。
だから僕はやっぱり一目を置く。
まじめに取り組んでいるから尊敬もできる。
それはあの鍛えられた身体を見れば分かることだ。

巡業を休んで問題になったときの前の名古屋場所でのこと。
初日に負けてそれ以来千秋楽まで、朝青龍らしからぬ慎重な(僕の印象では丁寧な)相撲を撮り続けて勝ち星を積み重ねて優勝した名古屋場所。
その慎重な、丁寧な取り口が朝青龍らしくなくてなんだか珍しく思えたし奇異に感じた。
何か調子が悪いのだろう、と思った。
肘が悪いのだという情報もあった。
それでもそれなりに勝ち星を重ねていく朝青龍に執念を感じたのは僕だけではないはずだ。
そして彼は、執念で優勝したのだ、25連勝や横綱昇進で勢いに乗っていた白鵬を破って。 

そんな朝青龍が帰ってきて、緊張感の戻ってきた土俵に、僕は大いに期待しているのだ。

2008-01-05

野茂はロイヤルズとマイナー契約

野茂英雄はカンザスシティー ロイヤルズとマイナーリーグ契約をした!

そうかそうか、そういうことだったのかあ1
この契約があったから、ベネズエラを妙にあっけなく去ったのだろう。

OFFICIAL WEB SITE OF HIDEO NOMOによると、
「とにかく怪我せず、頑張りたいです。」

〜以下編集部より〜
野茂英雄投手が、カンザスシティ・ロイヤルズとメジャーリーグキャンプへの招待付きでマイナーリーグ契約を結びました。既にベネズエラを離れ休養中の野茂選手ですが、2月14日にアリゾナで始まるスプリングトレーニングに備えていよいよ始動します。

とのこと。

メジャーリーグキャンプへの招待付きでマイナーリーグ契約、か。
キャンプインが待ち遠しいですね。

ロイヤルズと言えば日本ハムファイターズ前監督のトレイ・ヒルマンが監督として就任したチームではないですか!
メジャー昇格したらますます興味深い状況になりそうで、なんだか想像するだけで今年のロイヤルズが楽しみになってくる。
野茂英雄がメジャーに昇格した暁に、日本で錦を飾ったトレイ・ヒルマンと同じフィールドに立つことになるなんて、
思ってもみなかったな。

そして僕の中ではメジャーリーグのチームの中で一番縁遠かったロイヤルズを、今年は一番注目しそうになりそうなことは更なる驚きなのだ。
ヒルマンが監督をすることになったカンザスシティー・ロイヤルズ、ということで終わりそうだったこのチームはどうやら、
野茂英雄のおかげで大きく注目しそうな予感。
まあ、野茂がロイヤルズでメジャー昇格するかどうかにかかっているのだけれどね。

MAJOR.JP.によると、
日本人メジャーリーガーのパイオニア的存在である野茂英雄投手(39)が、自身の公式ウェブサイトでカンザスシティー・ロイヤルズとのマイナー契約を結んだと発表した。これを受け、ロイヤルズの地元紙カンザスシティー・スター(電子版)は3日、デイトン・ムーアGMが野茂に期待を寄せていることを伝えた。
今オフ、日本で5年間指揮を執ったトレイ・ヒルマン監督(前日本ハム)を招へいしたロイヤルズ。さらに薮田安彦投手(前ロッテ)を獲得したが、4年連続ア・リーグ中地区の最下位球団は若手が多く、選手層が薄いのは否めない。ムーアGMは数々の実績を残した野茂に「春季キャンプではチャンスを与えたい」と語り、メジャーでの復活を待っている様子だ。

ロイヤルズのGM、デイトン・ムーアの期待に応えられるといいのだが。

とにかく、頑張れ、野茂。

2008-01-01

野茂、カラカス・レオネスを離脱

あけましておめでとうございます。


年末は忙しくて、ブログを更新する気力がおこらずこうして新年を迎えてしまいました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、先月29日に書こう書こうと思っていたこの話から。

野茂英雄がレオネスを解雇されたというニュース。
現地情報では28日付。
カラカス・レオネスはベネズエラリーグのレギュラーシーズンを6位で終わった。
よってプレーオフに進出できなかったこともあり、ここでさようならと言うことのようだ。

31日のOFFICIAL WEB SITE OF HIDEO NOMOによると、
野茂選手が10月からプレーしていたレオネスを離れた事をお伝えします。体調不良によって先発の機会を一つ逃してしまったのは確かですが、当初より野茂選手が登板するのはレギュラーシーズンまでとなっていました。今後は、スプリングトレーニングとその先の長いシーズンに備え、休養と自主トレに入ります。


結局1勝もできなかったし、健康上の理由で登板の機会が少なかったりであった。
でも、身体も絞れたようだし、メジャー復帰へのステップとしてはカラカスに行ったことは良かったのではないでしょうか。

奇しくも野茂の負傷リタイアと自分の会社リタイアの時期が同じ頃なので、
野茂に負けないよう自分の就職についても頑張らなくてはと思ったりする。
野茂が活動を再開した頃に僕も前の仕事のつながりでアルバイトをし始めたりと、自分の動向と妙に重なるところがあり、
勝手な思い込みで励みにさせてもらっている。

頑張れ、野茂!