2018-05-25

照ノ富士!怪我を治すのも仕事

夏場所11日目、照ノ富士が朝弁慶に敗れて今場所後の幕下降格が確実となった。そんな記事が今朝の朝刊の片隅に載っていた。

「昭和以降元大関で幕下に降格したものはいない」のだそうだ。

そして、

「やれる気持ちはある」「一人では決められない、親方やおかみさんと相談する」んだそうである、進退を。

「左膝外側半月板損傷」

今場所は3日目まで出て三連敗の後、4日目から10日目まで休場。11日目の昨日の朝弁慶戦から再出場下が破れての記事だった。
今場所は千秋楽まで出場するとのことだが、12日目の今日も翔猿に破れて0勝5敗7休。

昭和以降で...なんて関係ないよ!

大怪我をしているときに、出場することに、意味も意義も無いよ。怪我をしているときは悔しいだろうけれど休んでほしい。休む勇気というものも必要なんだ、となんで親方は言えないんだろう。
怪我さえ治ればどんなに落ちていたって這い上がれる力士ではないか!
古い考えに縛られて有望な力士を潰してゆく姿はもう見たくない。怪我をしてしまったら完治を目指して休ませることをなぜしないのだろう?といつも思うのだ。リハビリの知識を持った専門家 の判断を優先させるような仕組みを作っていくようなことを相撲協会は考えたりしないのかなあ...sigh...
そんな発想を持つ人って協会にはいないのかしらん?

プライドで怪我は治らん!そんなもの捨てて、とにかく治して、這い上がってきてくれ!
僕たちはいつまでも待っている!

2018-01-16

一月場所3日目

久しぶりに、相撲を見ての所感を記す。

今日は今場所が始まって初めて相撲放送を、テレビを背中にしながら振り返り振り返りではあったが、見た。今日はなかなか興味深い取り組みが多かった。


○松鳳山(東前頭9)―千代の国(西前頭7)●
最近の松鳳山はなかなか上がってこれなくてちょっと歯がゆく思っている。それ以上に上がってきて欲しいのは妙義龍なんですが...

●正代(東前頭5)―荒鷲(西前頭4)○
正代もいい力士。だが、僕の最近のちょっと注目はこの荒鷲。最近この辺りの地位をよく守っている、頑張っている力士だと思っている。まだ4枚目以上はなかなか行けないけれどもね。玉鷲の後に必死にくっついている印象がある。ここのところ玉鷲の何枚か下の番付を維持し続けている。

●隠岐の海(東前頭5)―栃ノ心(西前頭3)○
昔はひょろっとしていたのに今は筋肉の塊の栃の心。もっと上位に行けると思うのだけどなあ...この頃いつも思っている。

○貴景勝(東小結)―玉鷲(西関脇)●
貴景勝は存在感のある力士になった。そして玉鷲は実力をつけつつある注目力士。強くなったなあ。荒鷲もそうだけれど玉鷲も注目力士。安定感が場所ごとに増してきている。三役が板についてきている。

○御嶽海(東関脇)―阿武咲(西小結)●
両力士とも貴景勝、北勝富士とともに誰もが認める若手日本人注目力士。どちらが勝っても嬉しいし、悔しい。
どちらかというと、僕は阿武松部屋の阿武咲推しだ。顔は無愛想でちょっと不遜な感じだがインタビューを見ると相撲に真摯で頭脳派なのだ。大好きだった益荒雄の愛弟子というのもあるんだけれどもね。

●千代大龍(東前頭3)―高安(西大関)○
高安は飄々とマイペースを保っている印象だ。兄弟子の稀勢の里が怪我で苦労しているので色々とやりにくいところも多いのではないかと思う。


○豪栄道(東大関)―琴奨菊(西前頭2)●
琴奨菊は大関を陥落しても、失礼だとは思うが意外と持ちこたえている、というのが僕の印象だ。悪くしている膝などが災いしてガクンガクンともっと落ちてしまうのではないかと思っていたからだ。やはり地力があるのだなあと感心してしまう。

○逸ノ城(東前頭1)―稀勢の里(西横綱)●
逸ノ城が勝った。が、逸ノ城には悪いが今の稀勢の里なら(負けることが)ないことは無いと思ってしまった。稀勢の里が本調子でないのでしょうがないんだろうなあということに尽きる。でも。逸ノ城も膝の怪我を克服して復活してきている。いつの間にやら番付は前頭筆頭だ。やっぱりこの人は実力があるんだなあと最近思うのだ。人気の遠藤も最近怪我を克服して番付を上げてきているが、逸ノ城はこれをサッと追い抜いてきている。
一時体重を落としていたが今場所は少し戻したとのこと。
稀勢の里は横綱になる前後の場所での怪我をおしての無理が今だに影響しているようだ。怪我での欠場がない力士だけに故障した時の対処が良くなかったし、恐らくすぐに治るであろうと楽観していた甘さがおをういいているのだと思う。大した故障を経験しないできた丈夫な体を持った力士ゆえの悲劇だ。それとともに、本来はそれをカバーしていくべき田子ノ浦親方のマネージメントが良くないのだと思う。直すことに専念させる知識と強い指導力が足りないのではないかと推測する。

●白鵬(東横綱)―北勝富士(西前頭1)○
白鵬はなかなか繊細なんですね、と解説していた元両国の境川親方が言っていた。繊細、なんじゃないと僕は思う。批判されていた立会いでのカチ上げ、張り手を今場所は“封印”された、あるいは封印した。よって、いつもの横綱らしくない、のだ。
立ち会いでのカチ上げや張り手は、実際に相手と組む前に惑わす行為。横綱がする立ち会いとしてはずるい手段だと僕も思う。ドーンと受け止めて勝って行くのが横綱の勝ち方だと思う。ここ数年、白鵬はカチ上げと張り手に頼りすぎて、そしてそれをするのが当たり前の立ち会いを続けてきてしまった。だから、急にそれを禁じたことでリズムが狂ってしまった。それで、の負けだったのだと思う。
横綱相撲という言葉があるが、それがどういう意味なのかを改めて考えさせられることだと思う。



○鶴竜(東張出横綱)―嘉風(西前頭2)●
鶴竜は悪いところはちゃんと直して場所を迎えられたようで何より。場所の直前の日馬富士暴行問題で騒がれたりしていたので心配だったが、上位陣では一番安定しているようだ。まだ3日目だからなんとも言えないが、怪我で休場してもこのようにきっちり直して出てきて欲しいものだ。無理して出場して(あるいはさせて、させられて)どんどん悪化させてしまう事例が大相撲は多すぎる。


今場所東前頭10枚目まで番付を落とした照ノ富士は糖尿病のためこの日(3日目)から欠場とのこと。膝の怪我が原因で大関陥落後、治してすぐに上がってくると思っていたのだが膝以外にも糖尿病も休場の要因になってしまった。横綱に一番近い存在だと思うので糖尿病はすぐにとはいかないが、膝の方は早く直して、再びあの買った時の気合の入った不敵かつ不遜な顔を拝みたいものだ。解説の北の富士が「体が大きいですから、稽古ができないで食事をとっていると糖尿病になる...」とコメントしていたが、これも稀勢の里の件と同様に親方のマネージメントの問題でもあるのではないか。